・フランスの子育て本おすすめは?
・フランス子育て本を読むとどんな変化がある?
2歳児ママでフランス育児本を10冊以上読んだ筆者が、そんな疑問に答えます!
子どもが生まれてからというもの、ネットやSNSには育児情報があふれ、「こうすべき」「これはダメ」という言葉に振り回されて、疲れてしまったことはありませんか?
私自身も、初めての育児に戸惑い、夜泣きや偏食、自己主張が強まるイヤイヤ期に悩んでいた時期がありました。そんなときに出会ったのが、フランスの子育てに関する書籍たちです。
「えっ、赤ちゃんが夜泣きしてもすぐ抱っこしないの?」「親が自分の時間を楽しむのが当たり前?」と、最初は驚きの連続でした。でも読み進めていくうちに、そこには“子どもも親も尊重する”というシンプルで合理的な哲学があることに気づきました。
この記事では、これまで私が読んできたフランスの子育て本の中から、特に心に残った9冊を紹介しながら、日本の育児に無理なく取り入れられる実践アイデアや、実際に効果を感じた体験談をお届けします。
「頑張りすぎない育児がしたい」「もっと穏やかに子どもと向き合いたい」――
そんな風に感じている方にとって、ヒントや安心感を得られる記事になれば嬉しいです。
フランス子育て本の最もおすすめは『フランス人は子どもにふりまわされない』
フランスの子育て本をとりあえず1冊読んでみたい今方には「フランス人はの子どもは夜泣きをしない」が睡眠・食事・しつけなど分かりやすくまとまっていておすすめです!
「子どものために、すべてを犠牲にするのが愛情」――そんな価値観に、どこか息苦しさを感じていたときに出会ったのがこの本、『フランス人は子どもにふりまわされない』です。
著者はアメリカ人ジャーナリストで、フランスに暮らしながら子育てをする中で感じた日仏の違いを綴っています。特に印象的だったのは、フランスでは「親の生活リズムや価値観を軸に、子どもを育てる」ことが当たり前だという点。これは「親が子どもをコントロールする」という話ではなく、子どもを尊重しつつも、大人も自分の人生を大切にする」というスタンスなのです。
たとえば、夜泣き対応も「すぐに抱っこしてあやす」のではなく、子ども自身が眠りに戻る力を信じて、少し待つ。食事も子どもメニューをわざわざ用意せず、大人と同じものを、同じ時間に楽しむ。こうした考え方は、日本ではまだ少数派かもしれませんが、「親としてどう生きるか」を考え直すきっかけになりました。
私自身も、「なんでも子ども中心」にするのではなく、家族全体の調和を考えて子育てを進めることが、結果として子どもの安心や自立につながると実感しています。
“がんばらない”のではなく、“ふりまわされない”――そんな、健やかな距離感を学べる一冊です。
フランスの子育て本が注目される理由
子育てに悩みを抱える日本のママ・パパたちの間で、「フランス式育児」に関心が高まっています。その背景にあるのは、“親も子どもも無理をしない育児スタイル”が多くの人にとって新鮮で、そして何より「ラクになれるヒント」が詰まっているからです。
私自身、2歳の子どもを育てる中で、育児書の言葉に救われた経験が何度もありました。とくにフランスの育児本を読むことで、「もっと肩の力を抜いていいんだ」と思えるようになったのです。
では、日本とフランスの子育てにはどんな違いがあるのでしょうか?
日本の育児との違いとは?
フランスの子育て本を読んでまず驚かされたのは、“親中心”という価値観です。
日本の育児は、子どもを第一に考える傾向が強く、親の睡眠・食事・趣味は「後回し」になりがちです。しかしフランスでは、「親の生活も大切にする」ことが子育ての基本とされています。
たとえば、
- 赤ちゃんを一晩中寝かせる習慣(生後数ヶ月でネントレ開始)
- 大人と同じ食卓で、同じものを食べる食育スタイル
- 子どもに“待つ”ことを教える姿勢
こうした方針には、子どもを「ひとりの人格」として尊重しつつ、親も“自分の人生”を大切にするという明確な哲学があります。
実際に我が家でも、フランス式の「寝かしつけ」に切り替えてみたところ、夜間授乳が減り、親子ともにぐっすり眠れる日が増えました。最初は戸惑いもありましたが、子どもの適応力に驚き、そして自分の時間を持てることの喜びを改めて感じています。
こうした「親子が共に自立していく」考え方は、日本の育児文化とは大きく異なるものの、現代の忙しい親たちにとっては大きなヒントになるのではないでしょうか。
「自由」「自立」「美意識」を育む考え方に学ぶ
フランスの子育て本を通して感じたもう一つの大きな魅力は、育児のなかで「自由」「自立」「美意識」という価値を自然に育てている点です。これは単なるしつけや教育ではなく、家庭の日常の中で“生き方”として身につけさせるというスタンスに貫かれています。
たとえば、
- 自由:子どもが選択できる余地をあえて残す。「これとこれ、どっちがいい?」と問いかけて、自分で選ばせる機会を多く持つ。
- 自立:赤ちゃんの頃から「一人で眠る」習慣をつける、幼児期には「親が手を出しすぎない」。大人のペースではなく、子ども自身のリズムを尊重。
- 美意識:日常生活の中に“本物”を取り入れる。たとえば、子どもにも陶器の食器を使わせたり、味つけされた料理を一緒に楽しむ。
私が特に感銘を受けたのは、「子どもに“暇な時間”を与えることが創造力を育む」という考え方です。これは『時間という贈りもの フランスの子育て』にも書かれている通りで、あえて何も予定を入れず、退屈を感じさせることで、子ども自身が遊びや興味を見つけ出す力が育つというもの。
我が家でも実際に、毎日公園や習いごとで“埋める”生活をやめてみたところ、2歳の娘はぬいぐるみとごっこ遊びを自分で考え出すようになり、「退屈も悪くないな」と親として感じるようになりました。
また、食事の時間を“ただ栄養を取るため”と捉えるのではなく、文化・会話・美しさを共有するひとときとする点も印象的です。フランスの家庭では、子どもにもナイフとフォークを持たせ、「丁寧に味わう」ことを大切にします。
こうした習慣を無理のない範囲で取り入れてみることで、親子の生活にほんの少しゆとりと品のある空気が流れるようになりました。
2歳の子どもを育てる中で感じた、フランス式の良さ
実際に2歳の子どもを育てながら、フランスの子育て本を読んで実践してみると、その効果を日々実感する場面が増えてきました。とくに「親が犠牲になる前提でない育児」という考え方には、何度も救われました。
たとえば、
夜の寝かしつけ問題。日本の育児では「添い寝で寝かしつける」「泣いたらすぐ抱き上げる」が一般的ですが、フランス式では赤ちゃんにも“眠る力”を育てるという考え方があり、『フランスの子どもは夜泣きをしない』や『フランス人の赤ちゃんは朝までひとりでぐっすり眠る』では、親が先回りして介入しすぎないことの大切さが強調されています。
わが家でも、最初は泣く我が子に心が揺れましたが、「子ども自身が自分の体と感情を整える力を持っている」と信じて関わった結果、夜中にぐっすり眠るようになり、親のメンタルにも余裕が生まれました。
また、『フランスの子どもはなんでも食べる』を参考にし、子どもの食事に「見た目」「香り」「味のバリエーション」を意識するようにしたところ、食卓に出した野菜やスープを楽しそうに味わう姿を見る機会が増えました。2歳の子が「美味しいね」と言いながらミネストローネを口にする光景には、正直感動しました。
さらに印象的だったのは、子どもとの距離感を大切にする姿勢。フランス式では、子どもが泣いてもすぐにあやすのではなく、まずは見守る。子どもが何かに挑戦するときも、「気をつけてね」ではなく「やってごらん」というスタンス。
これによって、子どもも親も、「不安」ではなく「信頼」でつながる関係が築けるようになってきたと感じます。
完璧に真似をする必要はありませんが、フランスの子育て本は、私たち親に「もっと自由で、もっとシンプルで、もっと楽しい育児がある」ことを教えてくれる存在だと、心から思います。
フランス子育て本おすすめ9選【実際に読んだ感想つき】
フランスの子どもは夜泣きをしない
育児のストレスを軽くする「ペアレンティング哲学」入門
概要
アメリカ人ジャーナリストがフランスでの育児を体験し、日本の親にも通じる気づきをまとめたベストセラー。夜泣き・寝かしつけ問題に悩む方に最適です。
おすすめポイント
- 赤ちゃんを「夜まとめて寝かせる」習慣のつけ方が具体的
- 親の時間を大切にする姿勢が参考になる
- 育児に「余白」を与えてくれる視点
実際に読んでみた感想
「寝かしつけがこんなにラクになるなんて…」と驚いた一冊。わが家でも本書の“パウズ(少し待つ)”を取り入れてから、2歳の子どもが夜中に自力で寝直すようになりました。まさに「子どもを信じて見守る」フランス式の真髄です。
時間という贈りもの フランスの子育て
「何もしない時間」が子どもを育てる
概要
「退屈」こそ創造力の源。詰め込み育児から抜け出し、子どもとの時間をもっと味わうためのヒントが詰まっています。
おすすめポイント
- 忙しい親ほど読んでほしい一冊
- 余白と“間”を大切にする育児哲学
- フランス人の「時間感覚」に触れられる
実際に読んでみた感想
予定を詰め込む育児に疲れていたとき、本書の「何もしない時間は、実は最も豊かな教育時間」という言葉に救われました。2歳の娘も、自分の時間に工夫を凝らすようになり、遊びの質が変わってきたと感じます。
フランス人の赤ちゃんは朝までひとりでぐっすり眠る
ネントレを自然に成功させたい人へ
概要
「赤ちゃんの睡眠は、スキルである」という衝撃的な視点から、赤ちゃんの“ひとり寝”を促す方法をわかりやすく解説。
おすすめポイント
- 科学的な知見に基づいた睡眠トレーニング法
- 親も眠れる「健全な生活リズム」の提案
- 初心者にも導入しやすい内容
実際に読んでみた感想
「夜起きるのが普通」だと思っていた自分にとって目から鱗でした。実践には勇気がいりますが、思い切って試してみると、驚くほど生活が整いました。自己肯定感のある育児を目指す人におすすめです。
産める国フランスの子育て事情
制度・サポート・文化を多角的に知るならこれ
概要
フランスの育児・出産支援制度を詳しく解説。なぜ出生率が高いのか?その背景にある“国ぐるみの子育て支援”がよく分かる一冊です。
おすすめポイント
- フランスの社会制度が日本との違いを浮き彫りに
- 働くママ・パパの視点でも参考になる
- 育児支援政策のヒント満載
実際に読んでみた感想
「こんな制度があったら、私ももう一人産みたい…」と素直に思いました。日本の育児支援とのギャップを知ることで、視野が広がる良書です。海外移住や留学を考えている方にも有益だと思います。
フランス人ママ記者、東京で子育てする
日仏ハイブリッド育児のリアル
概要
フランス人ママ記者が日本で実際に子育てをしながら感じた文化の違いと、そのギャップをどう乗り越えたかを語るエッセイ。
おすすめポイント
- 日本とフランスの育児観の「生の声」
- 異文化理解に基づいた実践的アドバイス
- 読みやすい文体で共感度が高い
実際に読んでみた感想
「外から見た日本の育児」がとても新鮮でした。「ママはひとりで頑張らなくていい」というメッセージが、まるで友人に語りかけられているようで励まされました。
フランスの子どもはなんでも食べる
偏食に悩む親に読んでほしい「食育バイブル」
概要
アメリカ人の著者がフランスで体験した「食べることへのしつけ」の実態を紹介。好き嫌いをなくすための家庭での工夫が、ユーモアを交えて描かれます。
おすすめポイント
- 食べることを「教育」として扱う視点
- 「3歳までの味覚教育」の大切さ
- フランス流の“美食教育”が学べる
実際に読んでみた感想
離乳食を終えて偏食が出始めた頃に読み、我が家でも「親が食を楽しむ」「見た目を大切にする」といった点を意識。すると、2歳の娘が苦手だった野菜も、盛りつけ次第で口にするように。まさに“食べ方”ではなく“食文化”を伝える大切さに気づけた一冊です。
フランス人ママン「強く生きる子」を育てる75の言葉
子どもの“芯の強さ”を育てたい方に
概要
フランスの家庭でよく使われる子育てフレーズを75個紹介。それぞれに背景となる教育思想や日常の使い方も添えられています。
おすすめポイント
- 親が子どもにかける言葉が変わる
- フランス流の“自己肯定感の育て方”が学べる
- 日常で使いやすい言い回しが豊富
実際に読んでみた感想
「あなたならできる」「転んでもまた立てばいい」など、2歳の娘にかける言葉が変わるだけで、子どもの反応まで変わったことに驚きました。親の声かけは“魔法”なんだと実感させてくれる本です。
パリの朝食はいつもカフェオレとバゲット
「生活そのものが教育」という価値観に触れる
概要
パリでの暮らしの中に息づく「子育て哲学」や「暮らしの美意識」を、美しいエッセイ風に綴った1冊。直接育児ノウハウではないものの、子育ての“背景”として非常に示唆に富みます。
おすすめポイント
- フランス人の「暮らしと子育て」の自然な関係性
- 朝食や日常の風景から学ぶ教育観
- 読後、生活の質を見直したくなる
実際に読んでみた感想
「子どもと食卓を囲む時間そのものが教育」という言葉が刺さりました。2歳の子と過ごす朝も、バタバタせず、ひとときを味わうことを意識するようになりました。子育てに疲れた大人にこそ読んでほしい癒し系エッセイです。
子どもの気持ちがわかる本
言葉にできない2歳児の心を“翻訳”する名著
概要
「どうしてそんなことするの?」「なぜ泣いてるの?」と感じる子どもの行動の裏にある心理をやさしく解説。子ども目線での理解が深まります。
おすすめポイント
- イヤイヤ期・かんしゃく対応に最適
- 子どもの“見えない感情”を可視化
- イラストが多くて読みやすい
実際に読んでみた感想
2歳の子どもが急に怒ったり泣いたりすると、つい「わがまま?」と思ってしまっていた自分。でも本書を読んで「まだ言葉にできないだけなんだ」と理解するようになり、気持ちの余裕が生まれました。フランス式の「子どもをひとりの人間として尊重する」育児観とも相性が良いと思います。
2歳の子育てに取り入れたフランス流の実践アイデア
2歳になると、自己主張が強まり「イヤイヤ期」とも言われる時期に突入します。我が家でも例にもれず、“自分でやる!” “これ食べない!”の連続で、毎日が小さなバトルの連続でした。
そんな中で支えになったのが、これまで読んできたフランスの子育て本の教えです。ここでは、実際に我が家で取り入れて効果を感じたフランス流子育てのアイデアを、リアルな体験とともにご紹介します。
食事は一緒に、同じものを楽しむ
フランスの子育てで印象的だったのが、「子どもには特別なごはんを用意しない」という考え方です。フランス人は、赤ちゃんの頃から「大人と同じ食卓を囲む」ことを重視します。これは、単に“食べる”という行為以上に、「一緒に味わう」「文化を共有する」という意味があるのです。
実際に我が家で取り入れた工夫
2歳になるまでは、子どもの食事だけ別メニューにしていましたが、『フランスの子どもはなんでも食べる』を読んでからは、できるだけ味付けや内容を共通化しました。
例えば:
- ミネストローネやポトフなど、具材を変えるだけで家族全員が楽しめるメニューを増やす
- スパイスや塩分は後入れにして、基本は同じ材料で調理する
- 食事中はテレビを消して、「味や食感について話す」時間にする
変化したこと
最初は少し警戒していた娘も、「ママと同じ!」と嬉しそうに食べるようになり、食事の時間そのものを楽しむ姿勢が育ってきました。大人が本当に美味しそうに食べていると、子どもも自然と興味を持つのだと実感しました。
さらに驚いたのが、好き嫌いが減ったこと。自分だけの特別メニューがなくなったことで、「食べる」ことへの集中力がぐっと高まりました。
このように、フランス流の「一緒に楽しむ食卓」は、食育だけでなく親子の絆にも深く関わってくると感じています。
子どもに「待つこと」を教える時間の大切さ
フランスの子育て本を読んで最も印象的だった概念のひとつが、「子どもに“待つ力”を教える」という考え方です。特に『フランスの子どもは夜泣きをしない』や『フランス人の赤ちゃんは朝までひとりでぐっすり眠る』では、「すぐに要求に応えない」ことが子どもの自立心を育むと説かれていました。
我が家で実践した“待つ”の育て方
例えば、以前の私は泣いたらすぐに抱っこ、ごはんを催促されたら急いで用意…と“先回り育児”が当たり前でした。でも、フランス式の考えを取り入れ、次のような工夫を始めました:
- 夜泣きの際、すぐに抱っこせず、30秒だけ“観察タイム”を取る(本当に必要な時だけ対応)
- おやつの時間を決め、「今は準備中だよ、待ってね」と伝えて待たせる練習
- 外出先でも「順番を待つ」「人が話している間は待つ」ことを意識的に教える
見えてきた変化
最初はもちろん泣いたり怒ったりしましたが、続けるうちに、待てばちゃんと応えてもらえるという信頼関係が育ちました。また、自分で気を紛らわしたり、静かに観察したりする力もついてきたように感じます。
何より、親自身が常に“すぐ反応しなきゃ”というプレッシャーから解放され、気持ちにゆとりが持てるようになりました。待つ力=自立への第一歩という考え方は、フランス流育児の大きな学びです。
親自身が“人生を楽しむ姿”を見せる
『時間という贈りもの』や『フランス人ママン「強く生きる子」を育てる75の言葉』など、複数の本に共通して語られているのが、「子どもは親の背中を見て育つ」という視点です。つまり、「子ども優先」になりすぎず、大人が人生を楽しむ姿を見せることが、子どもにとって最大の教育になるのです。
わたしが意識して取り入れたこと
- 子どもが昼寝している間に、好きな紅茶をゆっくり飲む時間を確保
- 料理や読書、散歩など、自分の“好き”を隠さず子どもに見せる
- 週に1回は子どもを夫に任せ、自分だけの自由時間を過ごすようにする
その結果、親子関係がポジティブに変化
自分の機嫌が良くなると、子どもにも優しく接することができる。当たり前のようで難しいこのサイクルが、フランスの子育て本を通じてようやく実感できました。
また、2歳の娘が「ママ、お茶飲んでるの?」とニコニコ見てくるようになり、“自分の世界を持つ大人像”を自然と学んでいるように思います。親が「自分の時間」を大切にする姿を見せることで、子どももまた、自分自身を尊重する感覚を育めるのではないでしょうか。
寝かしつけのルールはシンプルに
日本では「寝かしつけ」に苦労する家庭が多く、絵本を何冊も読み、抱っこしてゆらゆら、子どもが眠るまで添い寝して…と、1日の終わりに親がクタクタになることも珍しくありません。私自身も、かつては寝かしつけに1時間以上かかる日もありました。
そんな時に出会ったのが『フランスの子どもは夜泣きをしない』『フランス人の赤ちゃんは朝までひとりでぐっすり眠る』という2冊の本でした。どちらも共通して伝えているのは、寝かしつけは“儀式化”して、シンプルにすることが鍵ということです。
フランス式「入眠のルール」は明確
フランスの親たちは、赤ちゃんの頃から「ベッドはひとりで眠る場所」という意識づけを徹底します。寝る前のルーティンも極力シンプルで、以下のような形が多いです:
- パジャマに着替える
- 絵本を1冊読む
- 「おやすみ、また明日」とあいさつして部屋を出る
この流れを毎日繰り返すことで、子どもは“自分で眠る力”を自然と身につけていきます。
我が家の変化と実践例
2歳の娘には、以下のようなシンプルな寝る前のルールを作りました:
- 歯みがきをしてパジャマを着る
- 絵本を1冊だけ読む(何冊も読まない)
- 「おやすみ」をして電気を消す
最初は泣いてしまう日もありましたが、数日もすればこのリズムに慣れ、20分以内に一人で入眠できる日が増えました。何より、「寝かしつけが苦ではなくなった」ことで、私自身の夜時間に余裕ができ、メンタル面でも大きな変化がありました。
この経験から、「寝かしつけは子どもとの戦いではなく、信頼のルーティン」というフランス流の考え方が、いかに現実的で効果的かを実感しています。
フランスの子育て本を読むときに意識したいこと
フランスの育児本は、日本の子育てにない視点や発想がたくさん詰まっており、新鮮で学びが多い反面、「そのまま真似するのは難しい」と感じる場面も少なくありません。そこで、実際に何冊ものフランスの子育て本を読み、実践してきた中で感じたのが、「文化背景の違いを前提に、無理なく自分なりに取り入れる姿勢が大切」ということです。
文化背景の違いを前提に取り入れる
フランスの子育て本を読んでいると、最初に戸惑うのはその“距離感”かもしれません。
たとえば、
- 「赤ちゃんは夜泣きをしてもすぐに抱かない」
- 「食事は決まった時間、親が主導権を握る」
- 「親は子どものことばかりに縛られない」
これらは、“子ども第一”が当たり前とされる日本の価値観とは一見逆行しているように感じることもあるでしょう。
しかし、これはフランスにおける社会制度や家族観、個人主義文化がベースにあります。たとえば、フランスでは生後3か月ごろから保育園に預けて職場復帰する母親が多く、「子どもを一人にする時間=悪」ではない社会的な理解があります。
私自身が意識した“翻訳”の工夫
そんな違いを前提に、私は以下のような形で“日本版”に翻訳して取り入れました:
- 夜泣き対応では「5秒だけ観察」を取り入れる(完全放置ではない)
- 食事では「必ず一口は食べさせるが、無理強いはしない」
- 親の自由時間は、完全に離れるのではなく「娘と同じ空間で自分のことを楽しむ」スタイルに
このように、「フランス流=正解」ではなく、「ヒントをもらって自分の育児に合う形にアレンジする」という視点を持つと、ストレスなく取り入れることができます。
完璧主義にならず“ちょっと真似”でOK
フランスの子育て本には、合理的で自立を促す考え方が多く、「これが理想かも」と感じる一方で、「こんな風にはできない…」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。私も初めて『フランスの子どもは夜泣きをしない』を読んだとき、「私は甘やかしすぎていたのかも」と反省しすぎてしまった経験があります。
でも、何冊か読み進めていくうちにわかったのは、大切なのは“全部を完璧にやること”ではなく、ひとつでも自分の育児に活かせるヒントを見つけられたらそれで十分ということです。
たとえば、「子どもと一緒に食事を楽しむ」「夜のルーティンを決める」「親がイライラしないように自分の時間を大切にする」など、今の自分と子どもに合う部分だけを“ちょっと真似”するだけで、育児がグッとラクになると感じました。
「育児本=答え」ではなく、「育児本=アイデア帳」として、気軽にページをめくるくらいがちょうどいいのかもしれません。
夫婦で読んで、価値観をすり合わせるのもおすすめ
もうひとつ、私がフランスの子育て本を読んで特に良かったと感じたのは、夫婦で共有するきっかけになったことです。
育児について話し合うとき、どうしても「自分のやり方 VS 相手のやり方」になりがちですが、本を通して「フランスではこうしているらしい」と第三者の視点を加えることで、より冷静に、客観的に意見を交換しやすくなりました。
特に、『フランス人ママン「強く生きる子」を育てる75の言葉』や『時間という贈りもの』は、夫婦で読んで「こういう育児、ちょっといいね」と共通認識ができた一冊です。
また、フランス流の「子どもと親は対等な存在」という考え方は、夫婦の育児バランスにも良い影響を与えてくれました。パートナーが「母親が全部やるべき」という考えから少しずつ離れ、「一緒に育てる」という姿勢に変わっていったのは、書籍の力が大きかったと感じています。
まとめ|フランスの子育て本は、育児に余白と自信をくれる
子どもが2歳になった今、改めて感じるのは、フランスの子育て本を読むことで「親がラクになれる」ということです。もちろん、どれも日本とは文化や制度が違う前提で書かれているため、そのまま取り入れるのは難しい部分もあります。けれど、育児はもっとシンプルで、親も子どもも笑顔でいられるものでいいのだという視点に何度も救われました。
「完璧じゃなくていい」「子どもは自分の力で育つ部分もある」「親の人生も大切にしていい」――こうしたメッセージを、私は多くのフランス育児本から受け取りました。日々、育児の正解を探して悩む中で、少し肩の力を抜いて“自分たちのスタイル”を信じる勇気をくれたのが、これらの本たちだったのです。
私自身、寝かしつけや食事の時間など、小さな部分からフランス流を取り入れてみました。結果として、子どもとの時間がもっと穏やかで楽しいものになり、自分自身にも余裕が生まれたと感じています。
「子どもをどう育てるか」に迷ったときこそ、「親として、どうありたいか」を教えてくれるのが、フランスの子育て本かもしれません。肩の力を抜いて、ぜひ一冊手に取ってみてください。育児に“余白”と“自信”が生まれる、そんな出会いになるはずです。
とりあえず1冊読んでみたい方は、睡眠・食事・しつけなどあらゆる項目がわかりやすくまとまっている『フランスの子どもは夜泣きをしない』をぜひ読んでみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。