・フランスのマスタードの特徴やおすすめは?
・粒とディジョンの違いは何?
そんな疑問を解決します!
フランス料理を語るうえで欠かせない調味料――それがマスタードです。中でも、ディジョン地方発祥のフランスマスタードは、辛味と酸味のバランスが絶妙で、肉料理やパン、ソースの隠し味として重宝されてきました。フランスの家庭では、ケチャップよりもマスタードのほうが常備率が高いと言われるほど、日常の食卓に根付いた存在です。
筆者自身も、フランスマスタードを使い始めてから10年以上。ステーキやサンドイッチだけでなく、ポテトサラダやドレッシングなど、さまざまな料理に取り入れてきました。その奥深い香りと味わいに、今でも新たな発見があるほどです。
この記事では、10年以上の愛用歴を持つ筆者が本当におすすめできるフランス産マスタード11選を厳選紹介します。初心者でも扱いやすいものから、料理好きも唸る本格派、贈り物にも喜ばれる高級マスタードまで、目的別にわかりやすく解説します。
「最初の1本」にぴったりのブランドはどれ?本場フランス人が愛する味とは?
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。
フランスマスタードの特徴とは?
日本では「マスタード=辛味のある黄色い調味料」というイメージが強いかもしれません。しかし、フランス産のマスタードにはそれ以上の魅力があります。とくにディジョンマスタード(Moutarde de Dijon)をはじめとするフランスマスタードは、味・香り・質感のすべてにおいて洗練された印象があり、料理の格を一段引き上げてくれる名脇役です。
ここでは、10年以上愛用してきた筆者の体験をもとに、フランスマスタードの特徴や種類、その魅力を解説していきます。
ディジョンマスタードとは? ─ 辛味・酸味・なめらかさの三拍子
「ディジョンマスタード」は、フランス・ブルゴーニュ地方の都市ディジョン(Dijon)で生まれた伝統的なマスタード。フランスのマスタードといえば、まずこのタイプを思い浮かべる人が多いでしょう。
特徴は、以下の3点です。
- なめらかなテクスチャー:粒がなく、ペースト状でソースやドレッシングに使いやすい
- キレのある辛味:日本の辛子とは異なり、鼻にツンと抜けるよりもじんわりと舌に残るタイプ
- 芳醇な酸味:ワインビネガー由来の奥行きある酸味が料理を引き立てる
筆者が初めてディジョンマスタードを口にしたのは、フランス留学中の食卓でした。フランス人の友人がサンドイッチに塗っていた「マイユ(Maille)」のディジョンマスタードを一口食べた瞬間、口の中に広がったのは「辛さ」ではなく、ワインのように重層的な酸味と香り。あまりの衝撃に、その後日本に帰ってからもずっとマイユを愛用するようになりました。
粒マスタード(ムタルド・ア・ランシエンヌ)との違い
フランスマスタードにはもう一つ、「ムタルド・ア・ランシエンヌ(Moutarde à l’Ancienne)」と呼ばれる粒タイプもあります。これは「昔ながらのマスタード」という意味で、すり潰さずに残したマスタードシードの食感が特徴です。
- 見た目に華やか:粒々の見た目が料理にアクセントを加える
- マイルドな味わい:ディジョンタイプに比べて辛味が抑えめ
- 加熱料理に向く:火を入れても風味が飛びにくく、ソースや煮込みに最適
筆者は、粒マスタードをポークソテーのソースや、ゆで野菜のマリネによく使っています。ディジョンよりも万人受けするので、小さなお子さんがいる家庭にもおすすめです。
ワインビネガー使用の豊かな香りと酸味
フランスマスタードの特徴として欠かせないのが、ワインビネガーの使用です。多くのフランスマスタードでは、白ワインビネガーをベースにしており、まるでワインのようなふくよかで芳醇な酸味が感じられます。
この酸味が、肉の脂をさっぱりと中和し、料理全体を引き締めてくれます。また、ワインと合わせたときにも風味が調和しやすいため、ワインと楽しむ食卓との相性が抜群です。
添加物が少なく、素材の味が活きている
多くのフランス産マスタードは無添加または添加物を最小限に抑えており、素材の風味がそのまま感じられるのも魅力です。とくに、老舗ブランドのマスタードには防腐剤や合成香料を使っていないものも多く、安心して食べられるという声も多く聞きます。
筆者は食品の成分表示をよくチェックするタイプですが、フランスマスタードには「マスタード種子・ワインビネガー・塩・香辛料」だけのシンプルな原材料で構成されたものが多く、素材の良さを大切にするフランスの食文化を感じます。
【体験談】はじめてマイユのマスタードを口にしたときの衝撃
留学中、友人宅のディナーに招かれたときのこと。肉の付け合わせに出てきたのが、マイユのディジョンマスタードでした。少量をステーキに添えて食べた瞬間、口いっぱいに広がったのは辛味ではなく、まるで白ワインのような深い酸味と香り。それまで「マスタード=辛いだけ」と思っていた自分の常識が覆された瞬間でした。
以来、マイユを皮切りに、ファロやボルニエ、ポメリーなどさまざまなブランドを試すようになり、いまでは用途や料理によって使い分けるほどに。フランスマスタードは単なる調味料ではなく、食卓を豊かにする“香りのアクセサリー”だと感じています。
最もおすすめのフランスマスタードはこれ!
数あるフランス産マスタードの中で、筆者が「これだけは常備しておきたい」と心からおすすめするのが、Edmond Fallot(エドモン・ファロ)のディジョンマスタードです。
Edmond Fallot(エドモン・ファロ)とは?
エドモン・ファロは、フランス・ディジョン地方の中心都市ボーヌに本社を構える老舗マスタードメーカー。1840年創業という長い歴史をもち、伝統的な石臼製法を守りながら、手間ひまかけて製造されています。
いまでは大手メーカーが主流となったマスタード市場において、数少ない「純ディジョン製法」を守る貴重なブランドとしても知られています。
なめらかな口当たりと、しっかりとした辛味・香りが魅力
ファロのディジョンマスタードは、とにかく味のバランスが絶妙。
- なめらかな舌触り
- シャープな辛味
- 白ワインビネガーによる芳醇な酸味と香り
この三位一体の調和が、一口で「本場の味」を実感させてくれます。大量生産品にはない深みと香り高さがあり、一度使うと戻れなくなる味わいです。
【筆者の推しポイント】ステーキにひと塗りするだけで、レストランの味に
初めてファロを試したときは、厚切りの牛ステーキに添えて使ってみました。肉の旨みとファロの酸味・辛味が完璧にマッチし、レストランのような味わいに驚きました。塩だけで焼いたシンプルなステーキに、ファロをひと塗りするだけで、まるでソースをかけたかのような満足感が得られます。
家族からも「これ、なにか特別なソース使ったの?」と聞かれたほど。以来、我が家の冷蔵庫には常に1本ストックしています。
【活用例】料理がワンランクアップする使い方
Edmond Fallotのディジョンマスタードは、以下のような料理と相性抜群です。
- ソーセージ:焼いたソーセージに添えると、ビールやワインが進む一品に
- チーズトースト:パンにマスタードを薄く塗り、チーズをのせて焼くだけでフランスのビストロ風
- ポテトサラダ:マヨネーズに少量混ぜるだけで、奥行きのある味に変化
どの料理にも共通するのは、「少量でしっかり味が決まる」という点。塩分や油に頼らずに味を引き立ててくれるので、健康志向の方にもおすすめです。
フランスマスタードおすすめ10選
フランスマスタードには、クラシックなディジョンタイプから、香辛料やハーブを効かせたものまで多彩なバリエーションがあります。ここでは、筆者が10年以上かけて愛用してきた中から、味・香り・使い方で選ぶべき10ブランドを厳選してご紹介します。
Edmond Fallot(エドモン・ファロ)
特徴:シャープな辛味と豊かな酸味、なめらかな舌触り
おすすめの使い方:ステーキ、ソーセージ、ポテトサラダ
すでに紹介した通り、筆者が「最もおすすめ」と断言するのがこちら。辛味と酸味のバランスが秀逸で、肉料理の引き立て役にぴったり。料理の仕上がりをワンランク上げてくれる、プロの味わいです。
Maille(マイユ)
特徴:なめらかでマイルド、酸味は控えめで上品な味
おすすめの使い方:白身魚、チキン、サンドイッチ
筆者が初めて口にしたフランスマスタードがこの「マイユ」。その時の衝撃は今でも忘れられません。日本のマスタードとは全く違い、辛さではなく“深みのある酸味とコク”に驚かされました。
特に白ワイン入りのディジョンマスタードは、風味がとてもやさしく、素材の味を引き立てます。フランス本店限定のフレーバー展開も魅力的。
Pommery(ポメリー)
特徴:粒がしっかり残った「ムタルド・ア・ランシエンヌ」タイプ、深いコクとマイルドな酸味
おすすめの使い方:ソーセージ、グリル野菜、チーズプレート
陶器の壺に入った重厚なビジュアルでおなじみのポメリーは、見た目も味もクラシックで贅沢な一品。
ワインやチーズと一緒にテーブルに出すだけで、まるでフランスのビストロ気分に。粒の食感が楽しく、加熱しても風味が残るため、煮込み料理にも◎。ギフトにもおすすめです。
Bornier(ボルニエ)
特徴:しっかり辛め、酸味強めでインパクト大
おすすめの使い方:ホットドッグ、グリルミート、マリネソース
「これぞディジョンマスタード!」というパンチの効いた味わいで、辛味のしっかりしたマスタードを求める人にぴったり。筆者はこのマスタードで「大人のホットドッグ」を作るのが大好きで、焼いたソーセージにたっぷり塗ると、ビールが止まりません。
お手頃価格ながらクオリティは高く、毎日の料理に惜しみなく使える点も魅力。
Grey Poupon(グレープポン)
特徴:ディジョンマスタードに白ワインを加えた芳醇な香りと上品な辛さ
おすすめの使い方:サンドイッチ、ローストビーフ、ドレッシング
アメリカでも大人気のグレープポンは、クセが少なく、使いやすさ抜群のバランスタイプ。
筆者は、ローストビーフにこのマスタードと蜂蜜を合わせたソースを添えるのがお気に入りです。酸味・辛味ともに控えめで、マスタード初心者にもおすすめのブランドです。
COVINOR(コヴィノール)
特徴:スタンダードな味わい、クセがなく毎日使える
おすすめの使い方:ハムサンド、ジャーマンポテト、温野菜のソースに
フランスの食卓で日常的に使われている、コスパ抜群の定番ブランド。酸味や辛味が強すぎず、主張しすぎないので、料理のバランスを崩しません。
筆者も自宅の冷蔵庫に常備しており、子ども向けの料理にも気軽に使える点が◎。粒なし・なめらかタイプなので、マヨネーズと合わせて即席ディップにも。
Percheron(ペルシュロン)
特徴:スパイス感が強く、後味にピリッとした余韻
おすすめの使い方:マリネ液、鶏肉の下味、パテのアクセントに
ディジョンマスタードの中でも、特にスパイシーで余韻のある辛味が特徴のブランド。料理の風味をピリッと引き締めたいときに活躍します。
筆者はペルシュロンを使って「鶏むね肉の粒マスタード焼き」を作るのがお気に入りで、レモンと合わせるとさっぱり感もアップ。“通好み”の一本として、料理好きにおすすめ。
Evernat(エバーナット)
特徴:オーガニック認証付き、まろやかな酸味と自然な風味
おすすめの使い方:ドレッシング、温野菜、サーモンのソースに
体に優しい調味料を探している人にうってつけのブランド。BIO(有機)認証付きで、ヴィーガンやオーガニック派に根強い人気を誇ります。
筆者も「素材を大切にしたい日」のサラダや魚料理に使っており、“自然派なのにしっかり美味しい”というバランス感覚に感動。香りや酸味も控えめで、素材の味を邪魔しません。
Beaufor(ボフォール)
特徴:クラシックでクセがなく、酸味と辛味のバランス◎
おすすめの使い方:ローストポーク、タルタルソース、煮込み料理
業務用でも人気の高いブランドで、料理の下ごしらえやソース作りに適した万能型。ディジョンマスタードらしいシャープさがありつつ、口当たりはまろやか。
筆者はこのマスタードを使って、豚肉の煮込みやタルタルソースをよく作ります。コスパが良くて味も本格派、冷蔵庫に1本あると安心できるブランドです。
Delouis(ドゥルイ)
特徴:高品質なヴィネグレットベースで有名、マスタードも酸味が繊細
おすすめの使い方:ドレッシング、カルパッチョ、冷製料理
もともとヴィネグレットやドレッシングで評価の高いDelouis社のマスタードは、フレンチシェフにも愛される品質。酸味が非常に上品で、冷製料理にぴったりです。
筆者はサーモンやアボカドのカルパッチョにこのマスタードを加えたドレッシングを使っており、おもてなし料理でも大好評。繊細な味づくりを求める人に。
フランスマスタードの目的別おすすめ
フランス産マスタードは種類が豊富で、どれを選べばよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、「誰に」「どんな目的で」おすすめかを明確にしたセレクトをご紹介します。筆者の実体験に基づく選び方なので、初めての方でも安心して選べます。
初心者・スーパーで買いやすいものを探しているならMaille(マイユ)
- 理由:日本国内でも入手しやすく、カルディや成城石井などで手軽に購入可能。
- 味の特徴:マイルドでクセがなく、酸味と香りのバランスが絶妙。
- ワンポイント:ホットドッグや卵サンドの味付けにもぴったり!日常使いに最適です。
ギフト用に高級感のある一本を選びたいならPommery(ポメリー)
- 理由:陶器の壺入りで、ラベルもクラシカル。フランスでも贈答品の定番。
- 味の特徴:粒感のある昔ながらの味わいで、料理好きにも刺さる深い風味。
- ワンポイント:「センスの良いギフト」として喜ばれる率100%。特にワイン好きに◎。
オーガニック志向・自然派ならEvernat(エバーナット)
- 理由:BIO(有機)認証付き。原材料にこだわる健康志向の方におすすめ。
- 味の特徴:まろやかで自然な酸味。後味もすっきり。
- ワンポイント:サラダや蒸し野菜にそのまま添えるだけで、素材の味が引き立ちます。
肉料理を格上げしたいならEdmond Fallot(エドモン・ファロ)
- 理由:ディジョンの老舗。料理人も愛用する本格派マスタード。
- 味の特徴:しっかりした辛味と香り。酸味とのバランスも秀逸。
- ワンポイント:ローストビーフ、鴨のロースト、グリルステーキなどにひと塗りでレストラン級。
ディップやパーティー料理に使いたいならGrey Poupon(グレープポン)
- 理由:クリーミーで万人受けする味わい。野菜スティックやバゲットと好相性。
- 味の特徴:なめらかでマイルド。クセが少なく、子どもにも◎。
- ワンポイント:ハチミツと合わせて“自家製ハニーマスタード”にも使える万能タイプ。
コスパ重視で日常使いしたいならCOVINOR(コヴィノール)
- 理由:手頃な価格と安定した品質。冷蔵庫の常備調味料として◎。
- 味の特徴:辛味控えめで食べやすい、万人向けの味。
- ワンポイント:マヨネーズと混ぜてディップに。サンドイッチにも大活躍。
フランスマスタードの美味しい使い方5選【筆者の定番】
フランスのマスタードは、ただの「辛味調味料」ではありません。香りや酸味を活かすことで、料理がぐっと奥深くなります。ここでは、10年以上フランスマスタードを愛用してきた筆者が、家庭でよく使う簡単&美味しい使い方5選をご紹介します。
1. ポテトサラダに混ぜて、さっぱり風味に
市販のマヨネーズだけでは重くなりがちなポテトサラダに、ディジョンマスタードを小さじ1ほど加えるだけで、爽やかで奥行きのある味わいに変化します。
おすすめマスタード:Maille(マイユ)やEdmond Fallot(ファロ)
ひと言メモ:酸味が立つので、玉ねぎやピクルスとの相性も抜群!
2. トーストに「バター&マスタード」で、朝食のアクセントに
意外な組み合わせですが、バターを塗ったトーストに粒マスタードを少量のせると、ほんのりピリッとした刺激が絶妙。チーズを乗せて焼けば、簡単クロックムッシュ風にも。
おすすめマスタード:Pommery(ポメリー)やBornier(ボルニエ)の粒タイプ
ひと言メモ:マスタードの酸味でバターのコクが引き立ちます。
3. ハムとチーズのサンドイッチに一塗りで本場の味
シンプルなハム&チーズサンドに、パンの内側へディジョンマスタードを薄く塗るだけで、パリのカフェで食べるような深みのある味に。手軽なのに一気に本格派に!
おすすめマスタード:Grey Poupon(グレープポン)やCOVINOR
ひと言メモ:辛味が控えめなタイプならお子様のサンドにも◎。
4. 焼き野菜に添えるだけでレストラン風
ズッキーニやパプリカなどのグリル野菜にそのままマスタードを添えるだけで、まるでビストロの一皿に。特にワインと合わせると、おつまみにも最高です。
おすすめマスタード:Ma Pincée(マ・パンセ)
ひと言メモ:味付け不要で時短にも。温野菜とも相性◎。
5. 自家製ドレッシングにして、サラダが格上げ
【マスタード+酢+オリーブオイル+塩】を混ぜるだけで、本格的なヴィネグレットソースに。お好みで蜂蜜やレモンを加えれば、バリエーションも無限です。
おすすめマスタード:Edmond FallotやEvernat(エバーナット)
ひと言メモ:リーフ系だけでなく、クスクスや豆サラダにもよく合います。
まとめ|お気に入りの1本を見つけて、日常にフランスの香りを
フランスマスタードは、料理に深みとアクセントを加えてくれる魔法のような調味料です。特にディジョン地方発祥の伝統的なマスタードは、辛さ・酸味・香りのバランスに優れ、素材の味を引き立てる名脇役として世界中で愛されています。
筆者自身、最初はマイユのディジョンマスタードからスタートし、少しずつさまざまなメーカーのマスタードを試すことで、お気に入りの一本に出会ってきました。
最初の一本は、定番の「マイユ」や「ファロ」から
フランスマスタードが初めての方は、スーパーでも買いやすくクセの少ないマイユや、料理好きに人気のエドモン・ファロから始めるのがおすすめです。慣れてきたら、粒タイプや香り付き、オーガニックなど、自分のライフスタイルに合った一本を選ぶ楽しみが広がります。
あなたもぜひ、お気に入りのフランスマスタードを見つけて、毎日の食卓に「フランスの香りと食文化」をひとさじプラスしてみてください。